産学官連携共同研究
「下水処理施設の季節別運転管理によるノリ養殖海域への効果」
佐賀市下水浄化センターでは、有明海でのノリ養殖時期に合わせて処理水中の栄養塩を増加させる処理を行う「季節別運転」を平成19年から行っています。そこで、処理水のノリ養殖海域での効果について、佐賀県環境科学検査協会、佐賀大学、佐賀市上下水道局の三者で、平成29年から共同研究「下水処理施設の季節別運転管理によるノリ養殖海域への効果」を行い、その研究結果を令和2年12月で完了し取りまとめました。
共同研究では、佐賀市下水浄化センターの処理水について、ノリ養殖場の海域における流況や水質等を調査し、そのデータをとりまとめ、処理水が有明海の水環境へ与える影響を科学的に分析し評価を行いました。
◇共同研究の概要はこちら(1.3MB)
◇共同研究報告書はこちら(10.3MB)
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今回の共同研究結果として、栄養塩を多く放流する硝化抑制運転期間(ノリ養殖期)に調査したノリ養殖海域の範囲では、通常運転時期とは異なり、海水からノリ養殖に最低限必要な無機性窒素濃度(0.07~0.1mg/L)が検出されたことで、処理水に含まれる栄養塩はノリ養殖海域で拡散し、効果的に供給が行われていることが定量的に確認できました。
また、淡水である処理水は、放流先である本庄江からノリ養殖海域に到達するまでに、海水と十分に希釈・混合され、ノリ養殖海域への低比重化の影響はみられませんでした。
共同研究により、下水浄化センターで取り組んでいる「季節別運転」は効果的である事が把握できました。今後も、下水浄化センターは、公共用水域の水質保全に努めると共に、水産資源に配慮した汚水処理を継続し、地域の産業と共存を図ってまいります。
上下水道局 下水プロジェクト推進部 下水道施設課 TEL:0952-22-0181